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2013年05月26日

言霊の話。

ふらっと立ち寄ったカフェでのこと。

ぼーっとしていると、とある若い店員さんとお客さんのやり取りがふっと心に引っかかった。


若い男性店員さんが、お決まりの注文確認のセリフを
棒読みで、何度も同じ調子で同じことを確認している。

ん??

と、目を上げると、お客は初老の小柄な女性で
どうやら耳が遠いらしい。

なるほど、気の利かない店員さんだな、と思う。

でもまぁ、普通に聞こえる人にはわかりにくいのかな、とも思い直す。


私は元々左耳が聞こえないので、そんなやり取りは日常茶飯事である。
子どもの頃は、更に内向的な性格だったこともあり、最終的に全く気づかないこと多々だったそうだ。
(と大人になってから言われて知ったりした)


騒がしい場所での会話や・・
美容院なんかは、特に大変なシチュエーションだ。

美容業界では暗黙のルールでもあるのだろうか?
なぜかどこの美容師さんも左側から声をかける。

左が聞こえない私にしてみると
シャンプーやドライヤーなんかしてたら絶望的に何も聞こえない。

何度も聞き返すのも、数時間適当にあいづちをうつのも苦痛だし、無視していると思われるのも心外なので(笑)
「左は聞こえないんで、右からお願いします」
とお願いする。


でも、人によってはいちいちそう伝える方が面倒だったり、嫌な人もいるかもしれない。


さっきの女性も、ただ静かにだまっておられたので
そういうのが億劫なのだろう。


そんな不毛なやり取りが続いた後、
別の商品受け渡し係りの女性店員さんが、ひときわはっきり大きな声にして
女性客に声をかけた。

今度は一度で伝わったようだ。


ほっとして、私はまた自分のミルクティーに意識を戻した。


言霊の力とはこれだ。


だいたいの人は、頭で考えなくてもなんとなくしゃべって、なんとなく会話してたりすると思う。

でも、喧騒の中でも
あるいは、なんでもない日常の中でも
ふっと耳の奥の、心の中まで響いてくる声にときおり出会う。


そういう人の言葉は
はっきりと明確に「この人にこの言葉を伝えよう」と意図して形作られた、「言葉」という生き物である。


声にのって、空気を振動し、エネルギーをふるわせて、相手の心に「聴こえる」。


そうして、意図して発せられた人の言葉にはパワーがある。
その源が悪意なら、時に相手を病気にしてしまうこともあるかもしれない。
思いやりなら、時に今死んでしまおう、と思い悩んでいた人の命を救ってしまうこともあるかもしれない。

それくらい、発する、伝える、聞く、聴こえる、
ということには無限大の可能性が秘められている。


本気の「いらっしゃいませ!」
には、びっくりするくらい
「ようこそここへお越しくださいました!私は喜んであなたを歓迎します」

という気持ちがこもっていたりして、
それがちょっとお高めのレストランでも、コンビニだとしても、
私はついはっとし、顔をあげ
「ありがとうございます!」と微笑まされてしまう。



思いを形にして伝えられるのが、言葉の力だ。



新作「おじいちゃんのうた」の中でも歌われている、遺されたおばあちゃんは
とてもおしゃべりだというのに、としをとってからかなり耳が遠くなってしまった。
補聴器をつけていても会話を聞き取るのはとても困難だ。
そのため、みんなで会話をしていても何の話かわからずさみしそうにぽかんとしていたり、
(私も飲み会で右端に座らざるをえなかったときなどは、みんなが何の話で笑っているのかほとんどわからないので
おばあちゃんの気持ちはなんだかよくわかる。)
的を射ない返答で周りも次第に半ばイライラしながら何度も同じことを尋ねなければならない。


しかし、不思議なことに
きちんと「おばあちゃんに伝えよう」という強い意思をもって
おばあちゃんの心の奥へ届けるように語りかけると、
ほんの1度でおばあちゃんは理解できるのだ。


誰でも経験あるのではなかろうか?
学生時代にどうしても眠くなってしまう教科の先生。


「生徒に伝えよう」という明確な意思を持たない授業は
ただの「サウンド」と、「文字の羅列」にしかなりえない。


聞く気がおこらず睡魔に襲われてしまうのも仕方が無いだろう。


長くなってしまったけれど
声と言葉と、耳と聞く・聴こえる

についての話でした。



もし、うまくコミュニケーションできずに悩んでる人がいたとしたら
または、そうしたいのにうまくいかない誰かがいるとしたら、

その人の方へしっかりまっすぐに向いて、
相手の心めがけて、思いをたっぷりとこめて
話しかけてみてください。


その時、「言葉のやりとり」をこえた
「心のコミュニケーション」がきっと始まるはず。



posted by shihori at 19:32 | Comment(1) | 生き方の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご紹介します。

日本語の起源

言霊百神

Kototama 100 deities

有難うございます。
Posted by コトタマ at 2013年12月13日 21:51
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